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2012年04月13日

『おとなげないじかん!!』終わってしまいました。

おとなげないじかん!!.jpg-large.jpg




『おとなげないじかん!!』

たくさんのお客様に観ていただけました。
最高に嬉しかったです。
誠にありがとうございました。


今回はと言うとですねえ・・・


今回の俺はもの凄く困難、苦難続きの公演でした。
江田由紀浩が書いた脚本の理解が全く追いつかず、
面白い脚本だとは重々承知しながらも全く表現できない。
そんな毎日の稽古でした。
どうやったら面白くなるのかどんどん見えなくなって行く中、心中は猛烈な焦り。
初見であれだけ爆笑した台詞達、
いったい何が面白かったんだっけ・・・

経験上、だいたいの芝居の新鮮味は稽古中に失われて行きます。
失われた上で、どうやったら新鮮にできるかなあと試行錯誤するわけですが、
今回は全く太刀打ちできませんでした。
江田さんの求める世界や空気が、全く表現できない。
俺自身がそのシーンをどうしたいのか思い浮かばない。

ある日、カメオ出演の納谷さんが稽古を見てくれました。
その日の納谷さんのアドバイスを元に江田さんが急遽提案したキャラが俺の役”キッペイ”を立ち上がらせました。
それまでは割とヘラヘラしたというか、どちらかと言うと頼りない方の人だったんですが、
ご覧いただいた方はご存知の、
言葉に抑揚の無い、あまり笑わない、どちらかと言うと堅い感じの人になり。
しかしこの変更が何とも不思議な、
居そうで居なさそうな、居なさそうで居そうな妙なキャラになりまして。
夫婦役だった小島達子さんからは、
「今まではあんまり愛せなかったけど、今はすごい愛せる!」と言ってもらったり。
江田さんも、これなら行けると思うんだ、と。

正直、俺自身は何がどう良くなったのかさっぱりわからない状態でした。
提案されたキャラは表情や言葉の抑揚を一気に制限されるので、手足を縛られてるようなもので。
でもきっと俺の余計な小手先の芝居が、悪さしてたんだと。
巨大な制約をかけられた事によって、大事な事だけが残ったんじゃないかと。
自分がどう映っているのか全くの半信半疑でしたが、敢えて今回はこのまま臨もうと決めました。
意識できない状況の方が良いのではないかと思って。

そうして俺のキャラが変更になったのは本番四日前。
気を抜くとキャラから逸れる。
慣れて来ると不要な抑揚がついてニュアンスが変わる。
キャラを保つ事に意識が集中しすぎると感情が動かない。
感情を動かそうとすると脚本と違う台詞を言ってしまう。

自分の不器用さを痛感しました。
対応できぬ故共演の皆さんには迷惑ばかりかけました。
いやはやまっことごめんなさい。

その日のDVD、俺あんまり見たくないなあと思ったんですが、初日終えたし、
予想を遥かに越えてお客さんに受け入れられたので、思い切って見てみました。

やー。
めっちゃくちゃ面白いの。
もちろんダメを出せばキリが無いけれど、芝居自体も、俺のキッペイも、むちゃくちゃ面白いの。
すげえ、と思いました。

翌日の昼間、びっちり稽古をし、軌道修正して二ステージ目に突入。
どえらいミスを犯しながらも大喝采で終幕。
俺がそのどえらいミスに凹んでいるといると達子さんが、
「どーしてもあそこで笑い取りたい?? 他のとこでとればいーしょー」
と冗談を言ってくれて。
俺そんときホントに凹んでて、何か肩を落として苦笑い、みたいな感じだったと思うんですが、
その夜達子さんから、
「さっきの冗談だからね?気にしないでね?はやとはすごく頑張っててすごく良いからねー!」
ってメールくれて。

36にして気を使わす始末・・・

情けなかー!!

そんな達子さんの叱咤激励をいただきーの翌日、千秋楽。
今日こそやってやる!と思ったら、やっぱ何か起こるのね。
娘役の脇田唯ちゃんに殴られました(笑)
舞台上で!
キッペイが椅子に縛られて娘・リンゴに殴られるシーン、
振り切った右拳が俺のアゴにばっちりヒット。
当たりどころ悪かったら脳揺れて危なかった・・・
と思ったらラストシーンでも右ストレートが鼻をかすめ。
あそこで鼻血出してたら芝居終われたかなあ(笑)

唯ちゃんは大変だったと思う。
中年に囲まれて唯一若くて。
プレッシャーもあったろうし。
でもすごく貴重な現場だったと思う。
江田脚本に出れた事、
そして何より、小島達子とびっちり共演できた事。
こんなに的確に無駄無くギャグもシリアスもできる女優、札幌に居る?
大森君にも言われてたけど、容姿や若さではどうにも、にっちもさっちもいかない時が絶対来る。
是非達子さんのように、やりきれる女優になってほしい。

そんな脇田唯ちゃんは打ち上げで散々泣いて泣かされて、カメオ出演・大森君作「唯ちゃん音頭」で慰められていました。
さすがロックスター、一瞬で大合唱ソング作っちゃうんだから。
さすがだわ。

大森君と言えば、歌なんだけど、それはひとまず置いといて(失礼よね)、圧巻だったのは、前説。
観に来てくれた演劇関係者諸君、ビビったろ?
皆さんあんなに引きつける喋りできる?
できねーしょ?
俺には無理だ!

ラジオを長くやってるとは言え、
100人を越える人の前であんなにも引きつける喋りができるものなのか。
まさに、圧巻。

特に二日目、三日目に言ってくれたコレには涙が出そうになった。

「俺ね、見たらわかるのよ。演劇関係者かどうか。
 関係者はだいたいこういう感じ(斜に構えた)で見るでしょ。
 そういう、偵察に来ました、みたいな雰囲気やめよーよ。
 せっかく来てくれてんだから楽しもうよ。
 アイツらすっごい練習してきたんだわ。そんなのみんなわかるしょ?
 舞台に上がるって事がどれくらい大変か知ってるしょ?
 だったら楽しむ努力しよーよー」

正確では無いにせよ、多分こんな内容。
これをさほど嫌みじゃなく、笑いを交え、言ってくれた。
ホントそう。
金払って観るんだったら楽しんでくれなきゃ。

その他にも大森君はいろんな事を俺たちに言ってくれた。
あ、冷酒の飲み方、ありがとう。
これから真似させてもらうね。

カメオ出演のもう一人、リリカル・バレット、谷口健太郎。
久々だったわー、あんな力んでる谷口あんな至近距離で見るの。
千秋楽なんてちょっとチュウしちゃったよ。
あんな血管切れそうな力みまくりの芝居できんの谷口だけだよ。
対峙するだけで精一杯だったよ。
以外に歌上手かったしね(笑)

谷口も本書きだから今回の江田脚本には仰天したと思う。
大森君と納谷さんとの出会いも刺激的だったろうなあ。
胃、早く治せな。
ホントに江田さんのせい??
演出してる時の江田さん、怖いからなあ(笑)

納谷さんにはめちゃめちゃお世話になった。
深夜遅くまで稽古につきあってくれて、たくさん演技指導してくださった。
的確な指摘を連発、シーンがどんどん良くなっていく。
圧巻だった。
何か違うんだよなーという違和感が、納谷さんの指導で見る見る改善されていく。
あーそうそう!!ってどんどん変わっていく。
失礼な話、悔しいなあと思った。
俺に見えないモノがわんさか見えてるんだなあと思った。
6月、よろしくお願いします。
少しでも納谷さんの風景が見えるように頑張ります。

そんな6月のイレブンナインではまた達子さんと共演できる。
とっても嬉しい。
すげーと見てるだけではダメだ。
見習わねば。
俺が初めて芝居を観た15年前。
ルネッサンスマリアテアトロに達子さんは既に立ってた。
そんな人と一緒にできるのはすっごい嬉しい事。
また愛されるように頑張ろう。

もう一人共演できる嬉しい人は、
今回の見事な脚本を書き上げた江田由紀浩。
『おとなげないじかん!!』ではとても少ない時間しか絡めなかったから次は楽しみ。
全く絡まなかったりして・・・(笑)

今回の『おとなげないじかん!!』という脚本。
くどいようだが、あまりに素晴らしい。
これが江田さんにとっての初長編作。
こんなん書かれたら書く気失せるよ。

Eda Sullivansの作詞を手がける彼の文才はもちろん前から知っていた。
だから今回、江田さんが書くと聞いて俺はものすごく嬉しかった。
同時に難しいだろうなあと、ある程度は予想していた。
ましてやギャグの才能の無い俺が、笑いだらけであろう江田ワールドの一翼を担えるだろうか。

でも・・・
ここまで難しいとは・・・

末恐ろしい。
脚本家、いや文章家・江田由紀浩は希有な存在に違い無い。
少なくともこの街に、この島に、これほどの文章を書ける人はそう多くは無いはずだ。
初長編でここまでとは。
この国に、とはばからず言える日は遠くないかもしれない。

次回の江田脚本がいつ、どんな形でお目見えするかわからないが、
願わくば演者として関われたら幸いである。
そのレベルに自分が居れるとどうかが重要になってくる。
精進せねば・・・

とりあえず次に一緒する時は役者同士として。
負けないように頑張ろう。

最後に。
ご来場いただいた皆様。
本当に本当にありがとうございました。
俺の登場シーン、電話するマコトの後ろに無言で現れるあのシーン、
あそこでいただいた笑い、あれがなかったらキッペイはあそこまでいけなかったかもしれません。
キッペイが繰り出すボケにことごとく反応してくだっさって。
とても多くの方から良かったよ、キッペイ良かったよ、って言ってもらいました。
悩んで悩んで、江田さんに演出してもらって、最後はお客さんに作ってもらいました。
キッペイ、なまら幸せです。

もっともっとたくさんの人に観てもらいたい作品でした。

でも始まれば終わるもの。
せっかく作ったあのセットも千秋楽直後には壊しちゃって。
非効率ですよね芝居って。
でもそれ故の良さがある。
刹那的、とでも言っちゃいますか?

是非また観に来て下さい。
ご覧になれなかった方は、次回是非劇場にお越し下さい。
いいもんですよ、生の舞台って。
キッペイがそうだったように、他の誰かの役も、お客さんが一緒に作ってあげて下さい。
他力本願、って言うかもしれないけど、
そうでなかったら生でやる意味って何?って話で。

今回、俺はとっても恵まれてました。
感謝の矛先が多すぎてありがたいです。
またお会いしましょう。

たくさんの方々、

ありがとうございました。



                    ネコシイナ キッペイ


posted by 明逸人 at 23:58| 北海道 ☔| Comment(2) | TrackBack(0) | 芝居 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
お疲れ様でした。

芝居は初日と最終日に行き、笑って、泣きました。

いろんなキャラクターがいる中、私はキッペイさんが一番好きでした(o^∀^o)

マコトとの掛け合いやサクラコさんとのラブラブっぷりが好きでした。

サングラスを外したのに、違うサングラスにすぐ付け替えるところとか…。
登場シーンから家族思いのキッペイさんがとても良かったです。

また、はやとさんの芝居が見たいです!
6月行けるようにしますね。


本当にお疲れ様でした。
そして、ありがとうございました(*^o^*)
Posted by ともだわさ at 2012年04月15日 01:34
ご来場ありがとうございました!

楽しんでもらえて嬉しいです!

是非また観に来て下さい!

ありがとうございました!!
Posted by 逸人 at 2012年04月16日 01:06
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